※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています

『十戒』

話題になった『方舟』の夕木さんの新作。

犯人やトリックのネタバレはありませんので、大事なとこは知りたくない!って方も安心してお読みください。

まずはあらすじ。

亡くなった伯父が所有していた枝内島。
その島をリゾート化する計画を持ちかけられ、実現が可能か検討するために、関係者が泊まりがけで島へ視察に行くことに。

島へ上陸したのは、主人公である浪人生の里英、里英の父親、そして観光開発会社や建設会社の社員たち計九名。

島の周囲や別荘をチェックしつつ、比較的和やかな雰囲気で過ごしていた一行。
しかし一息ついた後に訪れた作業小屋で、とんでもないものを発見する。
それは、島が軽く吹き飛びそうなほどの大量の爆弾だった。

警察に通報するか迷った末、判断を先送りにした一同。
しかしその翌朝、不動産会社の社員・小山内が殺されているのが見つかる。

玄関ポーチに残されていたのは、十のルールが書かれた紙の切れ端。

「島の外に出てはならない」
「通報してはならない」
「通信機器を所持してはならない」

など、連ねられた戒律の最後の一つは

「殺人犯が誰か知ろうとしてはならない」

もしもこれらの決まりが守られなかった場合、作業小屋の爆弾の起爆装置が作動し、全員が死ぬことを覚悟しろ――という意味合いの言葉で、犯人からのメッセージは締めくくられていた。

殺人事件が起こったのに、犯人探しをしてはいけないなんてミステリ、今までありました?
脱出方法はあるけど出て行けない、外と連絡も取れるけど事情は説明できない、犯人を推理してはいけない……。

「十戒」に縛られた特殊なクローズドサークル。
読者はもちろん推理するわけですが、私のような凡人に答えが導けるわけもなく…… 。

前作『方舟』にも驚かされましたが、今作も唸らされました。っていうか後味……

個人的には『方舟』の衝撃度と後引き感の方が上だったんですが、今作も今作ですごいです。

ミステリを書く人ってほんと、頭の中がどうなってるんですかね?
常日頃何を見て、どう考えていたら、こういうトリックとかが思い浮かぶんでしょう。
不思議。

何はともあれ、面白い作品を読ませてくれてありがとうございます。
次も出たら買います。何の情報も出てないですがすでに楽しみです。

タイトルとURLをコピーしました