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『その着せ替え人形は恋をする』

人気過ぎてアニメ化されてさらに人気が出て、正直あらすじを説明するまでもないような気がするんですが、未読の方のためにさわりだけ。

五条新菜わかなは祖父の影響で小さい頃から雛人形に心酔していて、将来は雛人形の頭師かしらし(人形の髪の毛や顔などを製作する職人)になることを目指している。
けれど男なのに雛人形が好きだということにコンプレックスも感じていて、学校の友達には話していない――どころか、友達がそもそもいない。

そんなある日、放課後学校の被服実習室で作業していると、クラスメイトのギャル系美少女・喜多川海夢まりんが現れて、新菜の雛人形好きがバレてしまう。

絶望しかけた新菜だったが、海夢は新菜を馬鹿にすることもなく、それどころか服が作れる新菜に尊敬の眼差しを向け、自分の秘密を打ち明ける。

それは、好きなキャラのコスプレをしたいのに、服が作れなくて困っていたということ。

海夢から服作りを依頼されたことで、新菜の日常は変わっていき……。

というお話。

もうね、これ、すっごい好き。

海夢がめっちゃ可愛い。

海夢がめっちゃ可愛い。(2回目)

実は1巻が発売された頃は、私スクエニ系の漫画にあまりご縁がなく、読んでいるものがほぼなかったんですよね。
ぱっと見、絵もそこまで好みってわけでもなく、購入を見送ってたんですが、でも、本屋でいつも積まれてるし、ネットで見る限り評価もかなり高いし、読もうかなぁどうしようかなぁと迷ってしばらく。

ある日別の漫画目的でレンタルショップに行った時、10冊のセット料金まであと2冊だったんですよ。

で、あとの2冊何にしようかなーと棚をうろうろしてた時にこれが目に入って、「そういや気になってたし借りてみるか」と最初の2巻をレンタル。

そしたら…

「え、なにこれ好き……!!」

と、即ハマりました。

で、次店に返しに行った時に当時出てた最新刊(7巻)まで借りて、その続きからは新刊が出る度に買うようになりました。

で、先月12巻が発売になったじゃないですか。

読んでたら、この最新刊がまたよすぎて、やっぱ最初から揃えたいなーって思ったわけです。

だからね、こないだまだ持ってなかった1~7巻を買ってきたんですよ。

で、また最初から読み返したんですよ。

そしたらね。

やっぱいいなぁ……

ってなって。

これはブログに書こう、と思ったわけです。

では順番に推しポイントを語っていきますと、まず1つ目は、

自分の好きなことに真っ直ぐな2人がいい。

新菜は雛人形、海夢はコスプレ。
それぞれが自分の好きなものに対して持っている「好き」の気持ちが真っ直ぐ&超濃厚。

最初の方、新菜は自分が雛人形が好きなことを周りに隠していましたが、家では寝ても覚めても雛人形の面相書きの練習をして、鑑賞して、時に話しかけるほど、心の底からどっぷり雛人形のことが好き。

海夢は海夢でキャラへの愛が高じてコスプレをしたくなったわけですが、裁縫の才能はゼロ。
でもやりたくて、初心者向けの本を買って、手探りで衣装づくりにチャレンジしてみようと思ったわけですね。

あ~~~~、いい。

好きだからやらずにはいられない。

下手でも何でもとにかくやってみたいと思うほどの対象への愛、これがもてることの幸せ。

いい。

推しポイント2つ目は、

お互いが好きなことを尊重し合ってる世界、素敵。

新菜は雛人形好きですが、子どもの頃に、男の子が雛人形を好きだなんて「気持ち悪い」と言われたことがトラウマになっていて、それ以来、雛人形好きを隠すようになりました。

でもさ、大好きなのに「それおかしい」って言われたり、自分が好きなものをけなされたりしたら、めちゃくちゃ悲しいですよね。

でも、海夢は新菜が雛人形が好きだと知っても、「気持ち悪い」とも「おかしい」とも言わなかった。
それどころか、新菜が持っていた雛人形を「キレー」と言ってくれた。

海夢のコスプレも初っ端がギャルゲのキャラで、次は女児アニメのキャラで、その後のコスもそれまで新菜が触れたことがないものばかりで、時にはそれのどこがいいのかわからないという瞬間がありつつも、新菜は海夢のこと、海夢の好きなものを否定しない。

それは、そのよさが自分にはわからなくても、それを好きだという海夢の気持ちが本物だということはわかるから。

だから絶対に、否定はしない。

新菜が衣装づくりのためにちゃんとキャラや作品を理解しようと、海夢から貸される漫画やゲームをすべて見たりやったりするのもいいなあと思います。

見た後に「俺も好きです!」って適当に全肯定するんじゃなくて、「ここはよかった」「ここは無理だった」「感動した」「わからなかった」と正直に評するのもいい。
それだけちゃんと見てくれてるんだなと貸した方も嬉しくなるよね。

あとさ、海夢がめちゃくちゃかっこよくてね。

「人の好きなものバカにすんなよ」

とか。

「好きなものに男とか女とかって関係なくない?」

とかね。

そうだよ!

その通り!!

って、100%共感しかない。

初めてのコスイベが終わった帰り、海夢が

「あたし基本シュミだったりー、なんでもいーんだけど、好きな事して楽しんでる人めっちゃ好き。なんかキラキラしてるじゃん」

って言うんですけど。

それあんたたちのことだよ!

すっげーキラキラしてるよ!!

好き………!!!

ってなる。

推しポイント3つ目は、

なんと言っても海夢の可愛さ。

ギャルで陽キャ、誰とでも分け隔てなく話すし、裏表がなく、友達のことを思って泣ける優しい子。
自分のやりたいことが明確で有言実行。時に恐ろしいほどのその行動力。

最高。

1話から海夢は可愛かったしかっこよかったんですが、新菜のことが好きだと自覚してからの海夢の可愛さはさらにやばい。
めちゃくちゃ可愛い。

っていうかほんと、海夢好き。

巻を追うごとに海夢の可愛さが倍増していく。

最後、推しポイント4つ目は、

知らない世界が知れて楽しい

コスプレって、衣装・化粧・小道具・撮影・体型維持などなど、色んな技術の結晶や……!! と。

あのきれいな写真の裏側にはこんなにたくさんの努力が……と思うと、レイヤーさんほんと尊敬。

でも、大変そうだと思いつつも、楽しそうだなあともいつも思います。

ただやっぱ、コスプレって金かかりそうだよね!

コスはしたことなくても布の値段はだいたいこれくらいかなあと想像できるので、一から凝った衣装を作るとなると、その費用は相当なものだろうなと、またまた世のレイヤーさんを尊敬。

海夢は読モしてるとはいえ、稼いだ先から趣味に全投入って感じだし、勢いで色々買っちゃう子だから、たまに大丈夫かなぁといらぬ心配が頭をもたげます(笑)

ちなみにこれまで色々とコスプレしてきてどのエピソードも好きなんですが、個人的には麗様コスの回が特に好きです。

海夢初の男装コス、そして舞台は学校の文化祭。

海夢の麗様コスがかっこいいのはもちろん、このエピソードから新菜もようやっとクラスメイトと打ち解け始めて、ザ・青春☆って感じでめちゃくちゃ好きなエピソードです。

でもでも他にも、リズきゅんの衣装もめちゃくちゃ可愛かったし、ブラックロベリアはかっこよかったし、物語のスタートの雫たんコス海夢はもう殿堂入りだし、ほんと、どのエピソードもいいんだよ。

毎回毎回コスによって違う挑戦とかアイテムが出てくるので、それを一つ一つクリアしていって、技術的にも気持ち的にも新菜が成長していくのもよき。
その成長過程も、「え、なんでそうなった?」とかいうのがなくて、友達の何気ない言葉だったり、それまで新菜が触れてきたものだったりから道が開けていくので、とても自然でこちらも腑に落ちるというか、無理がない展開で、かつ読ませるというか。

ラブコメと真面目なとこのバランスとか、いやらしくない可愛いエロさとか、キャラのかけあいとか。

とにかく、いいんだって。

さて。

11巻でタイトルにもなってる「着せ替え人形ビスクドール」というワードが出てきて、12巻では煮詰まっていた新菜がこれまで自分がずっと見つめてきた(というかその世界しか見ていなかった)雛人形からヒントを得たり、コスプレ衣装製作においても自分の夢においても、新たなステップを踏むような感じだったり、衣装できた時の報告の仕方が一番最初の雫たんの衣装作った時と同じだったりで、何か……もしかしてそろそろ終わる……? とか少し不安になったりしていますが、まだ終わらないよね……?

だってこれからコミケ行かなきゃだし、海夢告白しなきゃだし、それで新菜がテンパる期間も必要だろうし、そもそも海夢「一番好きなキャラ50人いる」んだもんね!?

もっと海夢の色んなコスプレ見たいしこの2人大好きなので、まだまだ続いて欲しい。

とにかく次巻、完成したハニエルのコス見るのががめちゃくちゃ楽しみです!!

(あと最後にどうでもいいこと呟くけど、クラスメイトの古賀、めっちゃかっこよくないすか?)

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